パリエット20mg

胃酸を抑える薬

パリエットは、主に胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎といった、消化管の潰瘍や炎症に対して用いられる薬です。

 

 

パリエットというのは商品名で、ラベプラゾールという名前の有効成分を含みます。

 

 

日本の製薬会社、エーザイによって開発され、1997年に発売されていますから、もうかなり古くから使われている薬といってよいでしょう。今では日本のほか、アメリカ、イギリス、ドイツなどでも発売されています。

 

 

そもそも胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎というのはどうして起こるのでしょうか。

 

 

これは胃液に含まれる胃酸が大きく関係しています。理科の時間でも習ったでしょうが、胃で分泌される消化液、つまり胃液には、消化酵素のほかに、胃酸と呼ばれる酸が含まれています。この酸は実は塩酸そのものであり、非常に強い酸です。

 

 

どうしてヒトは塩酸などという強酸を胃で分泌するのかというと、大まかに言って二つの理由があります。

 

 

一つは、殺菌のためです。口から取り込んだ飲食物には、多くの細菌が含まれています。これはこの地球上で生活する以上はどうしても避けられません。目には見えませんが、そもそも空気中にも数多くの細菌、カビなどが漂っているのです。

 

 

飲食物は、私たちにとって栄養となるわけですが、それと同時に、多くの場合は細菌やカビにとっても格好の栄養源であり繁殖場所となり得ます。

 

 

もちろん、食物に火を通し、煮炊きすることで細菌を大きく減らす、ほとんど死滅させることは可能で、実際に私たちはそうしているのですが、口に運ぶ際にはある程度冷えていなければどうにもなりませんから、その間にも細菌はいくらでも付着してしまうのです。

 

 

そのような細菌が体内で繁殖しては困りますから、繁殖する間も与えずにやっつけるために胃酸が活躍しています。

 

 

ただし、それでもときには胃酸が効果を発揮する限度を越えて細菌が入ってきてしまうことがあります。

 

 

それは食中毒と呼ばれます。

 

 

もう一つの理由は、消化のためです。強酸性下でタンパク質などが分解されやすくなる上に、胃液には消化酵素が含まれていますが、その酵素は、強酸性下でよく働くようにできているのです。

プロトンポンプとは

このように胃酸は私たちにとって必要なものですが、一方で困ったことも生じえます。

 

 

つまり、場合によって、食べたものを消化するのではなく、自分自身、胃自身を消化してしまうことがあるのです。もちろん、そんなことが日常茶飯に起こっては困りますから、そうはならないように、胃壁は粘液質のもので覆われており、いわば保護された状態になっています。

 

 

ところが、何らかの原因、ストレスであるとか、単に胃酸が強すぎるといった原因により、この粘液質が薄く、弱まってしまうことがあります。

 

 

そうすると胃自身が傷ついてしまいます。

 

 

これが胃潰瘍です。胃に続く十二指腸が同様に傷つくと十二指腸潰瘍、胃酸が食道に逆流して食道が傷つくと逆流性食道炎となります。いずれも、胃酸が傷つけているのです。

 

 

パリエットは、この胃酸の分泌を阻害する効果があります。

 

 

 

胃壁の細胞には、プロトンポンプと呼ばれる、胃酸を胃に分泌するまるでポンプのような仕組みがあります。

 

 

ちなみにプロトンというのは水素イオンの別名で、酸性を示す物質の正体がこのプロトンです。

 

 

パリエットは胃壁細胞にあるこのポンプに結合し、その働きを止めてしまいます。その結果、胃酸の分泌が抑制されるというわけです。

 

 

プロトンポンプを阻害することから、このタイプの薬はプロトンポンプインヒビターと呼ばれています。

 

 

パリエット以外にもこのタイプの薬はいくつかありますが、いずれも非常によく胃酸の分泌を抑制し、消化器性潰瘍の治療に大きく寄与しています。

胃酸の出過ぎを抑える

現代社会は、ストレスや不規則な生活リズムになりやすい社会になっています。

 

 

そのために、体の色々な場所に不調が現れる事があります。

 

 

特に、胃腸は症状が現れやすい方が多く、胸焼け・胃のむかむか・食欲不振・腹痛・吐きけといった症状が主な訴えとしてあらわれてきます。

 

 

このような胃の症状の原因の多くは、胃酸の出過ぎ(胃酸過多)が原因と言われています。

 

 

このような胃酸の出過ぎを抑えるには、元々の原因であるストレスを解消したり、生活リズムを見直すことが最も重要です。

 

 

しかし、そのような根本的な原因については、なかなかすぐに改善することは難しいのが現実です。だからといって、十分に対応できずにいると、胃潰瘍・十二指腸潰瘍といった胃腸の病気になったり、逆流性食道炎という病気を繰り返す事になってしまいます。

 

 

特に、アスピリンなどの一部種類の薬を服用しているときには、このような病気になってしまうリスクは高くなってしまいます。

 

 

そのため、まずは胃酸を押さえることが必要です。そのために様々な薬が開発されています。その中の1つにプロトンポンプインヒビターと呼ばれるカテゴリーの薬があります。

 

 

このプロトンポンプインヒビターは、胃の粘膜から胃酸が出る部分に働き、胃酸を直接押さえることができます。

 

 

プロトンポンプインヒビターには色々な種類がありますが、強力な胃酸抑制効果を持つ薬としてパリエットがあります。

 

 

パリエットは医師の処方が必要な処方薬(薬局の店頭で買えない薬)です。医師が処方するときのの適応範囲として「再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎」・「ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌の補助」・「低容量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」があります。

パリエットの特徴5つのS

このパリエットの特徴として5つの「S」があげられています。まず最初の2つのSとしてあげられるのは「Speedy」であり、「Strong」な効果が期待出来ます。

 

 

他のプロトンポンプインヒビターと比較して、服用後すぐに、強力に胃酸を抑制し、胃の中の環境を改善します。

 

 

そして「Stable」に効果が得られます。つまり、食後の服用でも、食後の服用でも胃酸抑制効果を発揮することができます。

 

 

また、症状や状態に応じた服用方法があり、(「Separate」)、錠剤も5mm~6mm程度で小さく飲みやすい(「Smart」)という特徴もあります。

 

 

低用量アスピリンを服用している方に対する効果にも特徴が有ります。低用量アスピリン服用時には出血性潰瘍を発症するリスクが高くなりますが、パリエットの服用によってそのリスクを大幅に減らすことができ、胸薬・胃のむかむか・腹痛・吐きけなどの症状についても、症状悪化がなくなるという効果が示されています。

 

 

これらの効果は他のプロトンポンプインヒビターよりも優れていることが研究によって明らかになっています。

 

 

さらに、胃がんの原因にもなっているヘリコバクター・ピロリ菌を除菌する時の併用薬としても有効で、初回の除菌(一次除菌)成功率は80%以上あります。初回の除菌で上手くいかなかった場合の2回目の除菌(二次除菌)の成功率では、90%を超えています。

 

 

このような特徴がありますが、副作用や正しい飲み方がありますので、医師の指示・指導に従って服用することが重要です。

 

 

副作用のうち重度なものでは、大変頻度が低いのですが、肝機能検査値が高い値になってしまう、というものが頻度が比較的多くあります。

 

 

妊婦や授乳中の方については、避けることが望ましいですが、治療上の効果がデメリットを上回るときには服用が必要になりますので、やはり医師の指示・指導のもとので服用することが必要です。